【ゲーム開発】ふと考える、面白さとは何か?【開発ナレッジ】

こんにちは、涜(とく)です。

今回はそもそも「面白さ」って何なの?っていう話です。

ゲームの人たち割と当たり前にこの言葉使うし、プレイヤーもよく使う言葉ですが実は意味が混じっちゃってます。

もしかしたらプレイヤー同士でゲームレビューで殴り合いしちゃう理由の一つにもなってるかもしれません。不毛なのでやめましょう。

とやかく言ってても仕方ないので本題にいきましょうか。


面白さって何?

前置きは最早要らないと思うので端的に述べると、

面白さというのは「上手くいくのが好き」「上手くいかせるのが好き」の2つのグラデーションで構築されていると、私は考えます。

どういうことなのか説明するにはまず、ゲームがプレイヤーに与える体験の結果が何かを知る必要があります。

ゲームに期待される体験の結果は基本的に成功、つまり"上手くいくこと"です。

で、この結果に至る体験の最中に感じるもの、これが面白さなはずです。それが何なのかと言えば、当然上手くいくまでの過程で得られるものになります。

そしてその過程にはある択が存在します。それが「自分を上手くいかせてくれるものに乗っかる」or「自力で上手くいかせてみせる」のどちらかです。

そして、これらはどちらか一方だけということはなく、プレイヤーのモチベーションによってどちらが面白いのかが変わってきます。グラデーションと表現したのはこういう意図です。

ゲーム自体のどちらが得意なのかはジャンルで概ね決まります。感覚的か論理的かって感じですね。


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(25/1/21追記)

この記事では以後も「上手くいくのが好き」「上手くいかせるのが好き」という2つの表現で語りますが、覚えやすくするために次のように分類を作ってみました。

  • 「上手くいくのが好き」→ 他力型成功
  • 「上手くいかせるのが好き」→ 自力型成功

ちなみにコチラの記事で紹介しているUXの各分類は一応この二つに跨りますが、上記2つの成功に繋がるか、もしくは繋げられるかは偏りがあると思っています。

  1. 論理的UX
    • ほぼ自力型成功によって得られるか、自分で手を加えない場合は、せめて本人が何が起こっているかを理解できなければ、成功の自覚が得られない。
  2. 経済的UX
    • チュートリアルなどの誘導が強ければ他力型成功にはある程度できるかもしれない。しかし、多くの場合、自力型成功をもたらすモチベーションに強く依存する。
  3. 情緒的UX
    • 基本的には与えられるものであるため、多くの場合他力型成功と言える。ただし、いわゆる"考察"などの与えられる以上の体験を自ら獲得しに行く場合は、自力型成功と言える。
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面白さとモチベの関係

面白さの感じ方はプレイヤーのモチベーション次第ということなのですが、これは想像しやすいのではないでしょうか?

モチベーションが高いほど「上手くいかせるのが好き」で、下がるほど「上手くいくのが好き」になっていくという風に考えられるかと思います。

ようは、

  • モチベーションが高いときは逆境に燃えたり、毎日コツコツ頑張れたりする。
  • モチベーションが低いときは効率化を図ったり、指数関数的な快感を欲したりなど楽に成果を得たくなる。
こんな感じですね。

これに限らず、ゲームというもの自体に対するマインドでも差が出ます。

そもそもゲーム慣れしている人は「上手くいかせるのが好き」を満たすタイプのゲームを苦に感じにくいし、普段からゲームに馴染みがない人や真面目に遊び過ぎない人は「上手くいくのが好き」という気持ちよさ重視の見方をするというようなことです。(ツムツムとか直感的なゲームが非ゲーマー層に刺さってたのはこういう背景だったのかなぁと)


大衆化の影響

最近はゲーマーの大衆化がずいぶん進んでいるので、「上手くいくのが好き」で作られる場合が多く、「上手くいかせるのが好き」を満たすゲームは、ヘビーゲーマーか配信者が遊んでいる印象です。多くの人は浅瀬にいるので、他人が遊んでいるのを観るか、自分で遊んで気持ちよくなれるゲームを選んで遊んでいると思われます。

こうなると「上手くいかせるのが好き」って不利に思いますよね。

私個人としても、確かに「上手くいかせるのが好き」は「上手くいくのが好き」と比較してたくさん売れる印象はありません。とはいえ伝統工芸のようなもので、必ずしも淘汰されるものではないと考えています。

比較対象として(おこがましい限りですが)、将棋や囲碁、チェスのような地味で難しい戦略ゲームが淘汰を免れている以上、"自力で頑張るゲーム"という大枠が消えることはないんだと思っています。

つまり、売上出したい人はともかく、ただ作りたい人は何も気にせず作って欲しいなぁというのが個人的な思いです。


総括

そんなこんなの面白さに対する考察でした。

皆さんあまりに普通にこの言葉を使うものなので、自分で言っている内容を振り返る機会はないだろうなぁと思って書いてみました。とか言ってますが、ゲームへの謎の執着を持っている方が珍しいので基本気にしなくていいです。

色んなゲームプレイヤーを観てきましたが、口に出す「面白い」「面白くない」という言葉には上で挙げた以外のニュアンスを感じることもあります。「上手くいくのが好き」「上手くいかせるのが好き」だけでなく、「考えたこともない内容で新鮮だ」のような目新しさ基準の意味で使われている場合もあります。これについてはゲームデザイナーが気にすることかというと微妙なので本文には含めませんでしたが、「ヤバい」みたいに用途の広い言葉になっていて意思疎通を妨げているのかなぁとちょっと思いました。

もしゲームを作られる方で、感覚的に語られてもしっくりこない方には多少論理的な説明ができたかなと思います。

今までもそうですが、こういう皆が当たり前に使っているものにツッコミ入れるスタイルは多分辞められないと思うので、今後もそんな感じで行こうと思います。気が向いたら……ですが。

それでは、どうかあなたのキャリアに悔いのなきよう。

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