【高校生&就活生向け】専門卒プランナーの私見で語る、ゲーム会社の就活で専門卒は有利なのか?という話。【就活】【専門学校】【企画職】【プランナー】【ゲームデザイナー】

こんにちは、涜(とく)です。

今回は私の主観で"専門卒"がゲーム会社に就活で有利なのかについて話してみようと思います。

これを語る上で専門学校についても軽く紹介しますので、専門学校に興味がある方にも有益な情報になるかもしれません。

また、タイトルにある通り私はプランナーですので、企画職についての話が中心となりますのでご了承ください。


そもそも専門学校とは

専門学校とは、その名の通り特定の職業向けの知識を学び、現場で即戦力になれるような人材の育成を目的とした教育機関的なものです。

ここに集まる人々の経歴は本当に多種多様です。高卒といっても色々な方がいて、公立高校、私立高校、中高一貫校とか、工業高校、商業高校などなど。さらに、大卒、院卒、大学中退、研究室に籠ってから来ている方、すでに就職したことがあり退職して来る方、海外からの留学生など、自分じゃこういう人生送らなかっただろうなという経験をしてこられる人たちだらけです。

大学に行ったことが無い私なのであまり意味が無い話かもしれませんが、おそらく多くの大学以上に集まる人たちは多様性があると思ってます。(大学行かなそうな人も来るんでね……)

また、入ってからの人の異動も激しいです。

学科を変える方、4年制から2年制に変える方、夜間制から昼間制に来る方、その逆、辞める方、長期で休む方、色々です。どれもどこの学校でもありそうなものではあるのですが、これらの発生比率はやはり専門が高い方なのではないかと思います。

私が最終学年に上がったとき、学年の人数が入ったときの5,6割くらいになっていた気がします。一年の時同じクラスだった人が、別のクラスにいると思っていたら実は辞めていたり、別コースにいっていたりなんてことはザラです。

※記憶があいまいなので盛っていることが発覚したら訂正します……。


ともかくそんなところなので、最後まで心を折らなかった人がストレートで生き残るような場所です。結果しか意味のない実力主義なところで、チーム制作など運に左右される場面も少なくありません。

とはいえ、すべて頑張る必要はなく、最終的には自己満足のいく成果さえつかめれば何でもよいとも言えます。

こんな紹介をするとなんだかそれなりに大変なんだなぁと思うかもしれませんが、実はいくらでも手を抜こうと思えば抜けます。

しかし、手を抜かないで大変に感じるような環境に身を置くほど実力がつくのも事実だと思います。ですので、特定の分野の知識や技術を本気で高めたい人はぜひ専門学校に行ってみることを検討して欲しいと思います。



専門学校の向き不向き

これから専門学校を検討している方の参考になればと思い話していきますが、やはり人によって専門学校は向き不向きがあると思います。

わたしなりの勝手な意見ですが、専門学校に向いている人は

『怠惰で暇で、やりたいこと以外どうでもいい人』です。

なんだかヒドイ感じに聞こえるかもしれませんが、これは結構重要です。


何故かと言うと、専門学校は就活補助を謳っているところが多く、狙ったところに行けるとは全く限らないですが、就活ダルい我々のお尻をなんだかんだを叩いてくれます。専門生のやりたいことは基本的に、学ぶ内容の中でも自分のやりたいところだけなので、そういう部分には勤勉でもその他となると大体モチベが上がりません。ですので、就活やんなきゃねっていう雰囲気を強く醸し出してくれるのは、自力でやる気が出ない人にとっては実はありがたいのではないかと思っています。

(私が専門選んだ理由の一つでもあります……)

また、そもそも自分の気持ちで作品作りやポートフォリオ作成をすること自体ハードルが高いです。大学だとそのあたりの義務化は正直入ったところによると思いますので、誰に言われずともやっている人以外は基本的に面倒に思うはずです。いざ就活となってから始めるのも遅いので、専門の場合は課題と称して作品数を増やさせてくれることを上手く利用できる環境であると言えます。


次に、専門生はデキる奴ほど忙しいです。課題のクオリティーをほどほどで抑えなかったり、参考だなんだといって遊びたいゲームを山ほど遊んだり、居残りしたり、追加授業受けたり、業界関連イベント参加したり、ボランティア参加したり。また、バイトで学費稼いだりしている人も勿論いました。

別に暇が作れないわけではないのですが、真面目に作品作ったり、知識に貪欲になると時間が溶けてしまうので、私の中では専門生が一般的な遊びを謳歌しているイメージはあまり浮かばないです。

(実際遊び人的な方がいないわけではないですが、大体そういう方は1年前後でいなくなっていたかなと)


あと、ちょいちょい耳にする「独学できる奴がいくべき」というのは間違っていないと思います。

もちろん技術や知識はそれなりに教えてはくれていますが、その上で他の人を出し抜く努力は個人でしかできません。ですので、真に専門学校を活用するのであれば、独学で興味の持てたことを学ぶモチベーションがあったほうが良いです。



実際のところ専門卒は有利なのか?

そして就活で実際どうなのか?ということですが、私の意見としてはこうです。

  • 就活で有利とは言えないが、入ってからのスタートダッシュができるかもしれない。
  • 作品がある分、実績での評価を受けやすいのは利点になり得る。(企画以外は普通)
パッと見微妙ですよね。実際微妙です。


就活で専門生の比較対象になるのはもちろん主に大学生ですが、彼らと比較するとサイレントで不利な可能性があります。

これは特に企画職の場合ですが、大卒予定以上の経歴でない人ばかり書類で落ちるということがあります。企業側の募集要項に特に記載はありませんが、大学生を内部的に優先して取っている可能性が否定できかねる結果を生む場合があるのです。

実際何人かで同じところを受けて1人だけ通ったときに、その人以外現役だったことに気づくことがありました。その企業の学歴を除く選定水準にその人だけが達していたことを願うばかりです。

また、企画職に限って言えば、就活でよく提出を求められる企画書ですが、専門でしっかり習うかといわれるとなんとも言えません。当時だけの話かもしれませんが、必ずしも企業のニーズに応えた作りを教えてくれるというわけではないので、自分なりに考えて作るのが最適かもしれません。(※私が受かった会社では面接で「ちゃんとした書き方習ってなさそうだね」って言われました)

ちなみに企画書についてはコチラ


「入ってからのスタートダッシュ」というのは、実務が初めてでも開発経験からどういう仕事をすればよいのかが感覚的にわかっているということから、同期より社内評価を早く上げれる可能性があるという話です。入れさえすれば給料面でちょっと有利かもというと多少は魅力的ですよね。

ただし、大手だとおそらく通用しません。

なぜかと言うと、スタートダッシュが可能なのは研修が短くさっさと現場に新卒を放り込む中小企業くらいだからです。

大手は研修が長く、中小の半月~1,2ヶ月程度なのと比べ、3~6ヶ月以上と長くやる場合が多いからです。この研修の長さは、新卒の出身が専門卒か大卒かに限らず、ある程度の能力を現場に行くまでに身に着けさせるためです。つまり、現場に出るころには能力が平均化されているとみてよいでしょう。その状態では専門卒が必ずしも有利に立てるとは限りません。

専門卒が有利なのはゲームを作った場数です。ですので、個人や少人数での開発は経験のない人よりも得意だと思いますが、大規模開発となると技術や経験以上にコミュニケーションや知らない知識へのアプローチの仕方、逆境への耐性が問われます。

そうなると専門生だからこそ良いところが、実務では期待されていないというなんだか専門生取った意味があるのかよくわからない側面が見えてくるのです。

私自身は大手勤めではなく、中小でスタートダッシュを決めれたパターンなのですが、専門生のいいところを上手く使ってくれた印象は実際無いです。現場の方々はその人が専門出身かどうかなんて大抵の場合知りませんし、専門だとわかっていても専門生がピンキリなことも知っている分、その場での実力しか見ません。

私の職場では特に知識や感覚ほどあまり期待されず、頼んだレベルができればそれでいいという感じでした。専門生が学ぶのは技術だけではなく、より感覚的なところや業界の歴史に学ぶ経験的な内容もあるので、実は思いのほか高いスペックが眠っている可能性はあると思うのですが、そのあたりは自分でアピールしていくしかありません。

もちろん人によると言えばそれまでなのですが、専門卒自体の信用が上がることでちょっとでも世に良いゲームが生まれるならそれに越したことはないのです。


そして、結局有利なところは「実績での評価を受けやすい」になるわけです。実績というのはもちろん、過去に制作した作品であったり、イベントに出していた場合はそれの受賞歴などが該当します。(新卒の就活までに限りますが学内イベントも可)

企画職以外でも当然評価されるポイントではあるのですが、企画職だけは実績評価がほとんどできないです。ここを評価されるのは専門で実績を作っていない場合、そもそも見せれるものが提出した企画書だけになるからです(企画書の提出が求められない場合は、面接や試験の結果だけです)。逆説的に、専門卒から企画職を目指すのであれば、何かしら実績を作れるレベルのことをした方がいいということになります。

企画書も実績では?と感じられる方もおられるかと思いますが、実務で企画書を作ることは基本的に無いですし、企画書を作る能力と業務をこなす能力が違いすぎるので、あまり実績という風に扱わない方が適切だと思います。

企画職というのは採る側も何を基準に採っているのか人によってコロコロ変わってしまうと思います。実力がすべてではないですし、面接で上手くしゃべれるかだけでもないでしょう。そんな曖昧な中、実績という分かりやすい評価基準があれば、多少引っかかりやすくなるのではないでしょうか?



作るならやっぱり専門学校

先の話から微妙な専門ではありますが、同じ専門卒のプログラマーと話していて、開発経験のある専門生の企画職の方がいいよねっていう話が出ました。

企画職は職務上、開発の上流工程にいます。ですので実際にモノを作る方々に指示出しをするのが仕事の一つですが、開発経験のない企画の指示は意図せずに無茶だったり、ちょっと想像力が足りていなかったりと、下流工程的には不満が出るなぁという話です。

コレ別に専門生じゃなくても、開発経験積めば改善するんじゃねと思われるかもしれませんが、それこそ人によります。詳細がよくわからないまま年数が経ち、DやPになって無茶ぶりかますことが無いと否定するのは難しいはずです。


こういった意味では、そもそも個人で作る力を身につけざるを得ない専門生は、実際自分で作れるレベルでなくても、コレは出来てアレは出来ないくらいの判別はまともにやってきた方なら大抵できると思います。(※課題を人任せにしてきた方々は除く……)

特に私がいた当時の専門では、「プログラム書けないなら企画職目指すな」とか言われていたので、実際のところ他職種の仕事が分かる人も分からない人も企画職コースに進むかは多少考えたはずです。そのくらい企画において他職種がやっていることを知っておくのは大事だということでしたし、私自身それに共感しています。

会社で初めてゲーム作りに関わって「企画の仕事はこれでいいんだー」となるよりは、専門の経験があって、本当にこのやり方でよいのかと葛藤するほうが将来的により良い開発ができると思います。


専門学校はただの商材屋なのか?

最近動画で見かけたのですが、イラスト系等の専門学校は本気でやりたい人にとっては結構否定的な意見を受けているようです。

上記で述べた通り私自身は専門卒であり、専門にはメリットもなくはないと思っています。

ただそれはあくまで"当時のゲームの専門学校"だったからだと感じます。(ソロが基本なイラスト界隈とは事情が異なるというのもあります)

"当時の"というのは、私が専門生だったころ以上に今はネットの情報が優秀だからです。

近年は制作に関する多くの情報がかつて以上に豊富にあって、その情報源とのやり取りも容易にできると思います。

そういう意味では専門学校の価値は年々確実に下がっている側面があると感じます。

ただし、まだインセンティブが残っているとは思います。

具体的にどの辺なのかを挙げると、

  • 技術の学習ステップが用意されている&各段階で制作物の完成を強制されること
  • 強制的なチーム制作の実施
  • 企業とのコネ
  • (学校によるが)他職種人材とのマッチングの可能性があること
もちろん入ってもこれらを活用しない人にとってはどれも無用の長物ですが、真面目な方々にとっては意味のあるものになると思います。

詰まるところ、専門学校は「ポテンシャルはあるが、活用しなければただの高額サブスク」という感じでしょうか。

専門学校が向いている人について『怠惰で暇で、やりたいこと以外どうでもいい人』と言いましたが、付け加えるなら「たとえ仲良くなった学友でも、できない奴であれば切り捨てたり、多少無理させたりすることも辞さない覚悟」は必要です。


総括

専門学校が就活において有利なのかについて話してみました。

実は上記で述べた以外に、企業が前年の新卒は何%が大卒で何%が専門卒みたいなデータを出している場合があるのですが、専門生の絶対数が少ないこともあって、それを見て有利とか不利とか語るのは難しいです。そもそもその企業を専門生が何人受けてどのくらい落ちたのかが分からないのでデータとして不十分と思い、これについては控えました。

また、ゲーム作りがただ好きでやりたい人には就職とは別の道のほうが救われるかもしれません。

インディーであれば専門の知識や経験は活きないはずがないです。会社での開発以上に面白さや革新的さを求めて、野心的なアプローチがやりたい放題です。

まぁそれをやる環境づくりや売り出しが大変かと思いますが……。

そんなわけで、世間的に肩身の狭い気がする専門もちゃんと行く意味があると思うので、自分に合うと思えば検討いただくのもよいと思います。

結局のところ私が就活していた当時のことしかお伝え出来ませんが、参考になれば幸いです。


それでは、どうかあなたのキャリアに悔いのなきよう。

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